【理学療法士が解説】フレイル予防完全ガイド|山陽地域で健康に自立して暮らすための3つの柱

フレイル予防が健康維持にとても大切です。この記事では、私の生活エリアである岡山・広島の山陽地域で年齢を重ねても健康で自立した生活を送っていくために大切な3つの柱を紹介しつつ、フレイル予防について重要なことを完全ガイドで提示していきます。

このサイトを見るメリット

今日から自宅でできる対策と、地域の資源活用法がわかります。

理学療法士の立場からお伝えしたいこと

理学療法士として日々高齢の方と関わる中で感じるのは、「フレイル=特別な状態」ではなく、ごく日常の延長線上で起こるものだということです。

実際の現場では、転倒や体力低下が起きてから「もっと早く気づけていれば…」という場面を何度も見てきました。

このページでは、そうした経験を踏まえ、医療や介護の知識がない方でも理解しやすい形でフレイル予防の全体像を整理しています。

リハビリに携わってきた経験から伝える「フレイル」の怖さと希望

理学療法士として18年間、病院での業務に携わってきましたが、私が働き始めたころと比べて高齢化が一気に進んでいます。入院する患者さんの年齢が大きく引きあがっており、80代以上の方が半数を占めているような状態です。

医療費も高騰しており社会保障費を圧迫している状態で健康維持は国としても大きな課題となっています。そんな中、いろいろな市町では地域リハビリテーションとして地域住民のサロン活動を推進しており、健康な状態を自分たちで守っていくことが推奨されています。

ただ、今は生活ができていたとしても、このまま何もせずに過ごしていると転倒をきっかけに骨折を起こし、動けなくなって寝たきりになってしまいます。現に、介護が必要となるきっかけの上位に老衰が入ってきており、そこから転倒して骨折することを考えると、介護が必要になる人の多くは「老衰」ということになります。

そこで、最近着目されているのが「フレイル予防」です。さまざまな病院でもフレイル予防が取り入れられていますが、正直なところフレイルだからという理由で病院で治療するのは医療保険上は難しいです。

これまで、自転車で外出していたのにこけたことがきっかけで、骨折し入院となり、そこから寝たきりになって一気に死んでしまう、という人をたくさんみてきました。自転車に乗れたからと言って、安全に動けていたのかはわかりません。いわゆるフレイルの一歩手前の段階で何とか生活できていた人だったかもしれないのです。

だからこそ、自分の身体の状態を自分で確認し、健康な状態を維持していくことがこれからの生活にはかかせません。

「ピンピンコロリ」という言葉がありますが、一度寝たきりになっても現在の医療は可能な限り命を長らえさせるようになります。「こんな状態なら早く死にたい」という言葉を聞くと、いつも心が張り裂けそうになります。そんな人たちに、「これからリハビリが頑張って元気になろう!」といっても、確実に動けるようになる保証もなくただの慰めにしかならないのです。

だからこそ、予防の段階に力を入れて健康な状態を維持していただくことが本当に大切な視点だと感じています。ぜひとも私を活用して健康な状態を維持し、豊かな老後を過ごしていきましょう。

フレイルとは?「放置すると要介護」のサインを見逃さない

まずは、一般的な定義になりますが、フレイルについて知っておきましょう。すでにフレイルについてはいろいろと耳にしたことがありますが、フレイルとは健康と要介護の間の状態で、日本語では「虚弱」とも言われます。

フレイル

健康と要介護の間の状態!日本語では「虚弱」とも言われる。

普段の生活の中で身体の手入れをすることによって元の健康な状態に戻ることが可能です。

【PTの視点】歩くスピードが遅くなった、握力が落ちた、それは身体からの警告。

普段、少し意識することはあっても生活の中で困る状態になってないことから見過ごしていることがフレイルに向かう大きな警告となっています。

「歩くスピードが遅くなった気がする」「握力が落ちた気がする」という感覚が身体からの警告です。そこを放置せずに、しっかりと現状を数値として確認し過去の自分と比べて弱ったのかどうかを知ることが自己管理のスタートになるのです。

フレイル予防の3つの柱(科学的根拠)

フレイルに関する日本の第一人者である、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢(いいじま・かつや)教授はフレイル予防における「3つの柱」を提唱しています。3つの柱とは、「運動・栄養・社会参加」です。

3つの柱と言われているくらいですから、どれか一つ頑張ればフレイル予防になるということではなく、3つ全部を意識していくことが大切です。特に重要とされているのが「社会参加」といえます。

※現場では「運動だけ頑張っているのに元気が出ない」という相談もよくあります。その多くは、栄養や社会参加が抜け落ちているケースです。

①運動:貯筋(ちょきん)の重要性。

フレイルの方というのは体重が減っていき、筋力が弱ってしまいます。そうなることによって、転倒して骨折したり動くことが怖くなって引きこもったりする原因となり、最終的には寝たきりになることもあります。

元気なうちからしっかりと運動をして、筋肉を蓄える「貯筋」に取り組むことがフレイル予防には大切です。

②栄養:タンパク質摂取と口腔ケア。

いくら運動を頑張ったとしても、そのもととなる材料がなければ筋肉は強くなりません。そして、しっかりとご飯を食べるためには口の中の機能がとても大切です。歯周病が歯が抜けてしまう大きな原因のため、歯の手入れを頑張るととものに、おいしくご飯を食べ続けることが健康の秘訣です。

③社会参加:人との繋がりが脳と体を守る。

フレイルの入り口と言われるものが「社会とのつながり」です。仕事をしている間は外に出るきっかけがありますが、退職後は家に引きこもってしまうことでフレイルが進行してしまいます。元気なうちから趣味を見つけたり、地域の人と交流を持つことがフレイル予防には一番大切なことです。

山陽エリアでの地域資源の活用

各地域では「いきいき百歳体操」など公民館単位でサロンが開かれていることがあります。各市区町村から情報を得て、自宅の近所で開かれているサロンがあるかどうかを確認してみましょう。

最初は入りにくいかもしれませんが、まずは一歩を踏み出してみることが大切です。長年続いているサロンからすると、年齢層が上がっており運営する人の高齢化も進んでいるところもあるため、若手の人が来てくれることはうれしいことだと思います。もちろん、百歳体操など運動をメインに行っているところもありますが、やはり「社会参加」という視点から考えると、一緒に食事をしたり踊ったり歌ったり、といろんな企画を行うことで楽しく参加して「継続してさんかしたいな」とみんなが思える状態が理想です。

また、山陽地域は沿岸沿いから山間部まで幅広く、それぞれに地域特性があります。坂道が多い地域もあることから外出するのがためらわられるかもしれません。そんな時こと地域での助け合いが重要です。一人で車に乗って公民館まで行くのではなく、みんなで車に乗り合わせて参加することで地域のきずなも深まるでしょう。

まずは「フレイルチェックツール」で現状把握

現状の自分を簡単に把握するために、このサイトでは「フレイルチェックツール」というものを設けています。

「はい」「いいえ」の質問に5回答えるだけの簡単なものですので、すぐにフレイルかどうかを把握できます。結果に応じたアドバイスも載せていきますので、ぜひとも活用してみてください。

まとめ:一生自分の足で歩くために

超高齢社会に突入している日本です。「死にたくない」けど「寝たきりで長生きしたくない」という言葉を実際に耳にしてきました。ただ死なない人間はいないわけですから、「ピンピンコロリ」を目指して自分の足で一生歩き続けることがとても大切なことです。

フレイル予防という考えは、医療費抑制という自分たちの孫世代にとっても大切な支援になりますし、自分が楽しく生活していくうえでも重要なことなのです。とはいえ、分かっていても自分一人では続けることがなかなか難しい、という人がいることも理解しています。

そのためにこのサイトを立ち上げましたし、AIを活用した支援ができればという思いもあります。こうした活動がこれからの健康的な日本を作る役に少しでもなれれば幸いです。


リハプロ代表
理学療法士
山陽地域を中心に活動する、臨床経験18年目の現役理学療法士です。これまでのキャリアで延べ6万単位以上の理学療法に従事し、特に高齢者の自立支援とフレイル予防を専門としてきました。
4児の父として育児に奮闘する傍ら、現在の医療・介護報酬の限界を打破するため、最新のIT・AI技術を駆使した「介護に頼らない健康的な身体を維持する仕組みづくり」に挑戦中。
当サイト「ジョグタイム」では、医学的根拠(エビデンス)に基づいた正しい運動知識と、40代から意識すべき「フレイル」対策を、理学療法士の視点で分かりやすく解説します。
【保有資格・実績】
・理学療法士
・フレイル・介護予防関連の臨床経験あり
・Pythonを用いたリハビリ支援システム開発中