「フレイルですね」と言われて、不安になった方へ
フレイルと聞くと、
「このまま弱っていくのでは」
「もう元には戻らないのでは」
と心配になる方も多いと思います。
理学療法士として現場でお話を聞いていると、
フレイル=すぐに寝たきりになる
と感じてしまっている方も少なくありません。
でも、実際には――
フレイルは“今から整え直せる段階”です。
大切なのは、
頑張りすぎないこと。
そして、できることをやめないこと。
フレイルの運動で一番大切な考え方
最初に、結論からお伝えします。
フレイルの運動は
「鍛える」より「戻す」が目的です。
弱ってしまっている筋肉に、強すぎる刺激を与えると
間違いなく筋肉痛になってしまいます。
痛みがあると、続けて運動しようという気持ちが
なくなってしまい、1日で終わってしまうかもしれません。
そのため、注意点としては
- 息が切れるほどやらない
- 痛みを我慢してやらない
- 毎日完璧にやろうとしない
ということを意識してみてください。
「できる範囲で、続ける」
それが一番の近道になります。
まずは自宅でできる運動から始めましょう
ここでは、理学療法士として
多くの方が安全に続けられている運動を紹介します。
① 椅子から立つ運動(スクワット)
- 椅子に浅く座る
- 手は太ももに添えてOK
- ゆっくり立って、ゆっくり座る
目安
5回 × 1〜2セット
👉
「立ち上がる力」は、
転倒予防・外出のしやすさに直結します。
それだけでなく、スクワットをすることで、
太ももの筋肉やお尻の筋肉、お腹の筋肉など
身体の大きな筋肉を鍛えることができます。
② かかと上げ(カーフレイズ)
- 椅子やテーブルにつかまる
- かかとをゆっくり上げる
- ゆっくり下ろす
目安
10回 × 1〜2セット
👉
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、
歩行やふらつき防止にとても大切です。
つま先でしっかりと支えられることによって、
歩幅を大きくすることにもつながります。
③ 膝伸ばし運動
- 椅子に座る
- 片足ずつ膝を伸ばす
- 2〜3秒止めて下ろす
目安
左右5回ずつ
👉
太ももの筋力は、
立つ・歩く・階段すべての基本です。
膝関節に痛みがある人の場合は、
スクワットよりも膝伸ばしの方が
痛みを抑えて安全に続けることができます。
④ お尻上げ(ブリッジ)
- 仰向けに寝る
- 膝を立てる
- お尻を少し持ち上げる
目安
5回程度
👉
難しい場合は、
「お尻に力を入れるだけ」でもOKです。
腰が痛い人は無理してあげすぎないようにしてください。
「運動が苦手…」という方へ
ここで、よく聞く声があります。
「家で一人でやるのは続かない」
「正しくできているか不安」
そういう方には、
地域の体操や集まりもとてもおすすめです。
社会参加につながる運動も立派な予防です
百歳体操・シルバー体操など
- 椅子に座ってできる
- 動きがゆっくり
- 周りと一緒にできる
これらは
運動+社会参加を同時に満たしてくれます。
実際、現場でも
「体操に行くようになってから外出が増えた」
という声はとても多いです。
👉
体を動かすことだけでなく、
人と会うこと自体がフレイル予防になります。
毎日の生活も、立派な運動です
特別な運動をしなくても、
- 洗濯物を干す
- 買い物に行く
- 掃除をする
- 外に出て歩く
これらはすべて
体を保つ大切な動きです。
「今日は体操できなかった…」
そんな日は、
生活の中で動けていれば十分です。
無理をしないための3つの目安
- 痛みが出たら中止
- 翌日まで疲れが残るならやりすぎ
- 「今日は少なめ」でちょうどいい日もある
体調には波があります。
波がある前提で続けることが、何より大切です。
ご家族の方へ
フレイルの方を支えるうえで、
ご家族の関わりはとても重要です。
特に、
- 転倒予防
- 外出機会(買い物・散歩)のサポート
- 食事・栄養面の見守り
- 運動の声かけ
これらは、
入院や寝たきりを防ぐ大きなポイントになります。
👉
ご家族向けには、
別の記事で詳しく解説しています。
▶︎ 「フレイルの方を支えるご家族へ|転倒を防ぎ、生活を守る関わり方」
まとめ|「できることを、続ける」
フレイルと判定されても、
今できることは、たくさんあります。
- 少し立つ
- 少し歩く
- 少し人と会う
それを
やめないことが、一番の予防です。
ぜひともこの記事を参考にして
自分のペースで進めてみてください。
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