「何かしてあげたほうがいいのかな」と感じている方へ
親や配偶者がフレイルと判定されたと聞くと、
- 転ばないか心配
- 無理をさせてはいけない気がする
- でも、動かさない方がいいのかも分からない
そんな戸惑いを感じる方は、とても多いです。
理学療法士として現場でご家族とお話ししていると、
「どう関わるのが正解なのか分からない」
という声をよく耳にします。
まずお伝えしたいのは、
完璧な関わり方を目指す必要はないということです。
フレイルで一番気をつけたいのは「転倒」
ご家族ができる支援の中で、
最も大きなリスクを減らせるのが転倒予防です。
転倒がきっかけで、
- 骨折
- 入院
- 動かない期間が増える
この流れから、
一気に生活が変わってしまうケースを、
現場では何度も見てきました。
だからこそ、
転ばない環境と習慣を整えることが大切です。
① 転倒を防ぐ「環境づくり」
まずは、特別なことをする必要はありません。
自宅で見直したいポイント
- 床に物が置きっぱなしになっていないか
- 段差や敷居につまずきやすくないか
- 夜、トイレまでの動線が暗くないか
これだけでも、
転倒リスクは大きく下がります。
👉
「運動させる前に、環境を整える」
それだけで十分な支援です。
② 「動かさない」より「安全に動く」
心配だからといって、
- 外出を控えさせる
- 家でじっとしてもらう
これは、逆効果になることがあります。
動かない時間が増えると、
- 筋力が落ちる
- ふらつきやすくなる
- さらに転びやすくなる
という悪循環に入りやすいからです。
ご家族にできる声かけの例
- 「一緒に買い物に行こうか」
- 「少し外の空気を吸いに行かない?」
- 「無理しなくていいよ」
👉
“運動しなさい”と言わない
これが、とても大切です。
③ 外出機会は、最高のフレイル予防
買い物、散歩、用事――
これらはすべて、
- 体を動かす
- 頭を使う
- 人と関わる
という要素が詰まった、
理想的な予防活動です。
実際に、
「週に1回の買い物があるだけで、
生活リズムが保たれている」
そんな方はたくさんいます。
④ 運動は「見守り」と「一言」で十分
ご本人が、
- 椅子から立つ運動
- かかと上げ
- 地域の体操
こうしたことに取り組んでいる場合、
ご家族ができるのは、ほんの一言です。
- 「今日はやったんだね」
- 「無理しなくていいからね」
アドバイスよりも、
続けていることを認める声かけが力になります。
⑤ 栄養は「管理」より「気にかける」
栄養についても、
完璧を目指す必要はありません。
気にしたいポイント
- 食事量が急に減っていないか
- 以前より痩せていないか
- たんぱく質(肉・魚・卵・豆類)を食べられているか
これを
“気にかける”だけで十分です。
👉
食べさせなきゃ、ではなく
「食べられているかな?」
という視点で見てあげてください。
⑥ ご家族が疲れすぎないことも大切
支える側が疲れてしまうと、
- 声かけがきつくなる
- 心配が先に立つ
- 関係がギクシャクする
ということも起こりがちです。
理学療法士としてお伝えしたいのは、
ご家族が無理をしないことも、立派な支援だということ。
困ったときは、ひとりで抱え込まないでください
- どこまで動かしていいのか分からない
- 転びそうで心配
- この関わりでいいのか不安
そんなときは、
専門職に相談するのも一つの方法です。
このサイトを通して、
「何をすればいいか分からない」状態を
少し整理するお手伝いができればと思っています。
まとめ|支えることは、生活を守ること
フレイルの方を支えることは、
何か特別な介護をすることではありません。
- 転ばない環境を整える
- 外に出るきっかけを作る
- 動いていることを認める
- 食事を気にかける
この積み重ねが、
入院や寝たきりを防ぐ力になります。
このサイトでは、
フレイルと判断されたご本人だけでなく、
支えるご家族にとっても安心できる場所でありたいと考えています。
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