おしりや腰周りの体型について気にしている女性はたくさんいます。
その方たちから、「おしり周りの下半身痩せに効果のあるストレッチがあるのか」と聞かれることがあるのですが、決まってこう答えます。
「そんな(やせることができる)ストレッチはありません」と。
ストレッチでおしり周りの下半身が痩せられたら、と思っていた人からすると残念に思われるかもしれません。
しかし、おしりをストレッチすることは腰痛予防にとって効果的です。
ここでは、ストレッチでは下半身痩せは難しい理由と、おしりのストレッチの本当の効果について説明していきます。
ストレッチでは痩せない理由
そもそもストレッチとは筋肉を伸ばすことで筋肉のこわばりをほぐして緊張を和らげる方法のことです。
そして、筋肉を継続して伸ばし続けることによって筋繊維が伸ばされ、その結果関節の動きを大きくすることを目的としておこなわれます。
要するに、身体を柔らかくすることがストレッチの効果であって、ストレッチ自体にはエネルギーを消費するといった運動の効果はないということです。
ただストレッチと同じような感じで身体を伸ばす方法にヨガがありますが、ヨガをすることによって痩せるという話を聞いたことがあるかもしれません。
ヨガについては詳しくありませんので正確なことは言えませんが、理学療法士の視点からヨガの動きから考えると身体を伸ばしながらもさまざまなポーズをとることで姿勢を保つための筋肉を働かせており、なおかつ腹式呼吸を基本とした呼吸方法によって体幹筋が刺激されていると考えられます。
そのため、単純なストレッチと比べるべきものではないでしょう。
では、どのようにした痩せることができるのかというと、やはり食事量を減らして運動量を増やすことが確実です。
極端な例かもしれませんが、理学療法士として働いていると食欲不振で入院される人がいます。
その人たちを見ているとやせ細っている人たちが圧倒的に多く、数年来の患者さんに至っては見る影もないくらい痩せてしまうのです。
この場合の痩せ方は筋肉が大きく落ちてしまうので、痩せ方としては不適切と言わざるをえませんが、単純に考えると摂取量と消費量の関係から考えて消費量が上回れば身体に蓄積されているものが消費されるのは分かるでしょう。
とはいえ、健康を保つために必要な栄養はありますから、それは食事で補う必要がありますので食事は大切ですが、その摂取量を上回るように運動を頑張ってエネルギーを消費するのがいいです。
そのための運動を選ぶとするならばランニングが手軽にできますので、ランニングを通して運動習慣をつけてもらえたらと思います。
おしりストレッチの本当の効果
さて、話が少し脱線しましたが、本題に戻したいと思います。
おしりストレッチでは下半身痩せが難しいことを理解してもらえたと思いますが、おしりストレッチが無意味だということではありません。
おしりの筋肉が硬くなってくると腰痛を引き起こす原因になってしまうので、おしりの筋肉は柔らかい方がいいです。
ではどのようにストレッチをするのがいいか、ということを話していきます。
まず、三角座りした状態から両手を後ろにつきます。
その状態でストレッチする側の足を反対の足の太ももの前に乗せてあぐらをかくようにしてください。
後ろの手は突っ張ったまま前屈みになることでお尻の外側が伸ばされるのが分かると思います。
この方法によっておしりの筋肉が伸ばされるのを感じるでしょう。
また、この他にもおしりの下にテニスボールを置いてつぶすように体重を乗せていく方法もあります。
おしりの筋肉は大きいのでテニスボールをおいて座る椅子が柔らかいとあまり効果を実感できないかもしれませんので、硬めの床にボールをおいてその上におしりを乗せてつぶすようにすると効果的です。
とはいえ、いきなり思い切ってつぶしてしまうと思ったよりも痛いかもしれませんので、腕で体重を調整しながら乗るようにしてみてください。
おしりのストレッチで下半身痩せを期待していた人にとっては残念なお話だったかもしれませんが、おしりストレッチ自体が悪いわけではありませんので、継続しておこなってもらいたいと思います。
そして痩せるためにはしっかりと運動をするよう習慣化していきましょう。
身体の調子を整えることで毎日の生活が送りやすくなりますので、ぜひともランニングから始めてみてください。
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