ランニングの心拍数の目安はどう決める?適切な運動強度の設定方法

初心者編

ランニングをするときにどれくらいの運動強度で取り組めばいいのか目安をしりたい、ということがありませんか?

どのような目的を得たいかによって運動強度も変わってきますが、一番最初に知っておかなければならないのは、自分の「最大心拍数」というものです。

自分の最大心拍数を把握しておけば、どのくらいの運動強度で練習すれば心肺機能を効果的に高めることができるのか判断できるようになります。

ここでは、運動で目標とするべき目標最大心拍数についてお話していきましょう。

心臓の働きと心拍数の決まり方

人間の心臓は筋肉の一つであり、筋肉の働きによって心臓が縮まったり広がったりしています。心臓の働きは全身に血液を行きわたらせるポンプのような役割をしているのです。

人間が活動するためには、酸素を取り込んでエネルギーを作り出す構造になっているので、心臓が血液を全身に運ぶ理由は、血液を介して酸素を全身に運ぶことと考えられるでしょう。激しい運動をした場合は、エネルギーをたくさん作らないといけないため、その分酸素が必要になってきますから、酸素を運ぶために心臓が頑張って動きます。

最大心拍数を決める要素

心臓が頑張って動くことによって、全身に酸素を送り届けるスピードにも限界があります。どこまでも激しく動き続けることができるわけではありません。

そのことに対して大きく影響を与えているのが加齢です。

私も昔と比べて握力が落ちたり、階段を5階まで駆け上がった時のしんどさを強く感じるようになったりと、老いを感じる場面があります。

心臓も筋肉の一種ですから加齢の影響は避けることはできず、年齢とともに心臓の動く最大のスピードは落ちていくと考えるべきです。

ということで、最大心拍数に大きく影響しているのが年齢。

とはいえ、同じ年齢だからといっても個人差があります。同じ年齢のAさんとBさんがいたとしましょう。AさんはスポーツマンでBさんはあまり運動をしない家で過ごすことの多い人だった場合、同じ年齢だからと言って、心臓の力が同じなわけではありません。

あくまで自分の過去と現在で考えたときに大きく影響してくる要素として年齢があり、加齢によって心臓の機能も弱ってくると考えてください。

最大心拍数を決めるときの考え方

ここまでで最大心拍数という言葉を使ってきましたが、この言葉を運動を限界まで頑張ってぶっ倒れるくらいまで最大に動かせる心拍数、という感じを受けたかもしれません。

確かに、言葉として捉えるとそうなりますが、運動生理学では数式で算出できるようになっており、ぶっ倒れる必要はないのでご安心ください。

運動習慣などの個人的な影響をなくした状態で最大心拍数の算出方法を考えるのであれば、「220‐年齢(歳)」で考えることができます。

例えば40歳の人であれば、220‐40=180bpm(bpmとはbeat per minuteの略で、1分間の心拍数)ということです。

しかし、この算出方法だと個人的な影響は排除した状態での机上の最大心拍数ですので、この最大心拍数を目安に運動するのは現実的ではありません。

先ほど例えで話したAさんとBさんのように、運動習慣のある人とない人で心臓の強さも違ってきます。そのような個人的な影響で考えれば、人によって心拍数というのは異なってくるのです。

一般的な心拍数というのは、何も運動していないリラックスしている状態での心拍数のことで安静時心拍数と言います。

安静時心拍数はだいたいの場合は60bpmくらいですが、人によっては安静時でも80bpmある人もいますし病気をもっている人の中には100bpmを超える人も。

スポーツ選手でいえば、心臓の働きが強いので一回の心臓の動きで全身に送れる血液の量が多いですから、安静時心拍数は50bpmの人もいます。

ということで、個人の状態を勘案して目標最大心拍数について考えましょう。

個人の状態を反映した最大心拍数の算出方法

この算出方法はカルボーネン法と呼ばれるもので、「(220‐年齢‐安静時心拍数)×運動係数+安静時心拍数」というものです。(運動係数とはその人の運動習慣から値を決めるものであり、バリバリのトップアスリートを1.0、運動習慣がある人を0.8~0.9、普通に生活をしている人を0.6~0.7、少し運動不足の人を0.4~0.5、足腰が弱っている人を0.3として代入)

例えば、40歳で安静時心拍数が60bpm、特に運動習慣がなく普通の生活をしていた人がいたとしましょう。普通の生活をしている人なので、運動係数を0.5とします。

式に代入してみると、(220‐40‐60)×0.6+60=132bpmということで、目標最大心拍数が132bpmということです。

なので、132bpmを目安に運動をしていけば大丈夫。

ただし、運動を継続していけば体力が向上してくるので、運動係数を上げて計算しなおす必要があります。

仮に目標最大心拍数よりも心拍数が少ない状態で運動した場合、心肺機能に対する負荷が少ないということであまり持久力の向上につながらないこともあるでしょう。

人間の身体は負荷を与えないと成長できないところもあるので、ランニングで持久力を鍛えるためには目標最大心拍数を狙ってトレーニングするといいでしょう。

また、目標最大心拍数を超えた場合はどうなるのかというと、ランニングをするような人が少し超えたからと言って命に別状があるわけではありません。

普通の人であれば、しんどくなりすぎて運動が続けられなくなるでしょう。

ただ、心臓に病気を抱えているような人は注意が必要です。心臓に負荷がかかりすぎないように注意しましょう。

そもそも、そういう人であれば自分で考えて運動するのではなく、主治医の指示にしたがって運動量を調節してください。

まとめ

それでは、今回はランニングをするうえで目標とすべき心拍数についての考え方を説明してきました。

自分の目標最大心拍数を知って効果的にトレーニングをしていきましょう。

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