感染予防のためにマスクをつけてランニングをする人はいますが、心肺機能をつけるためにマスクをつけて走るのはどうなのでしょうか?
確かに、マスクをつけて走ることでしっかりと空気を吸えませんので高地トレーニングのようになると考えるかもしれません。
しかし、マスクをつけて走るのと高地トレーニングは全く違います。
まず、高地トレーニングですが、標高1500~3000mの酸素濃度の薄い場所でトレーニングを行うことによって体の中に取り込める酸素の量が少なくなり、その環境に適応するために酸素を運ぶヘモグロビンの運搬能力が高まったり筋肉が効率的に酸素を活用できるようになったりする効果があります。
そのため、高地トレーニング後に平地で運動をすると酸素運搬能力や酸素の使用効率が良くなっているわけですから、平地での運動が楽に行えるということです。
では、マスクをつけた状態での運動はどんな影響があるのでしょうか?
マスクをつけるというのは、普段の生活においても息苦しさを感じます。
これはランニングをしていても変わらず感じることです。
しかし、それだけでなくランニングによって呼吸数が増えるとマスクの中が吐いた息や汗によって湿ってきて呼吸がしにくくなってきます。
そのため、1回に息を吸う量が少なくなったり、酸素を取り込む量が少なくなる、といったことが起きます。
酸素を取り込む量が少なくなる、という点においては高地トレーニングと似ているように感じるかもしれませんが、マスクをつけていてもあくまでも平地ですから、呼吸数を調整したり息を吸う量を増やしたりと苦しさを解消しようとするので、呼吸方法が乱れる可能性があるのです。
それに、マスクをつけているだけで心理的ストレスが強いです。
ですので、マスクをつけた状態でランニングをすることは息苦しい状態で走り続けるようなものなので、無理してマスクをつけなくても走る量を増やせば同様の息苦しさを味わうことはできます。
結論としてマスクをつけてのランニングは人ごみの中で走る場合は仕方ないとしても、ソーシャルディスタンスを保てるのであればマスクなしでランニングするほうがいいと考えます。
無理なことはしないで、安全にランニングをしていきましょう。
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